実施日時:2024年8月19日(月)15:00~16:30
実施形態:オンライン
【報告】
報告者:マジード・シハーデ氏(Dr. Magid Shihade)
報告タイトル: "Global Israel, Global Palestine: Settler Colonialism, Ruptures, and Connections"
報告者は、シオニズム運動とイスラエルの入植者植民地主義により
報告者は次に、2023年10月に始まったガザ地区を巡る戦争は
参加者との質疑応答と討論では、グローバル・パレスチナとグロー
(文責・今野泰三)
関西パレスチナ研究会 Kansai Society for Palestine Studies
関西の若手研究者有志を中心に、パレスチナ/イスラエル問題に関する研究報告・意見交流を幅広く行う場として、2016年に発足した会です。研究会にはどなたでも参加することができます。
2024年度第1回研究会報告
関西パレスチナ研究会2024年度第1回研究会 Kansai Society for Palestine Studies Research Seminar
関西パレスチナ研究会2024年度第1回研究会
(English follows Japanese)
昨年10月以降、私たちの目前で展開してきたイスラエルによるガザ・ジェノサイドは、シオニズムの入植者植民地主義という歴史的不正義を止められなかった結果だと言えまです。ジェノサイドを一刻も早く停止させ、ガザの荒廃の中からパレスチナ人の人権や民族自決権の回復への一歩を作り出すために何が必要か。歴史的考察はそのヒントとなりえるものです。今回の研究会では、パレスチナ人研究者マジード・シハーデ氏に、パレスチナでの入植者植民地主義の歴史について報告していただきます。
スピーカー:マジード・シハーデ氏(Dr. Magid Shihade)
"Global Israel, Global Palestine: Settler Colonialism, Ruptures, and Connections"
*研究会は英語で行われます(通訳なし)。
マジード・シハーデ氏プロフィール
1948年にイスラエル領となったパレスチナ北部アッカー近郊の
申し込みは下記のリンクからお願いします。
https://chukyo-u-ac-jp.zoom.
申し込み後、ミーティング参加に関する情報が届きます。
主催:
関西パレスチナ研究会
科研費基盤研究(B)「ポスト・
お問い合わせ palestine.kansai@gmail.com
Kansai Society for Palestine Studies
Research Seminar
The Israeli genocide in Gaza since Oct. 7,
2023 remarkably marks a failure of our world to stop the historical injustice of
Zionist settler-colonialism. What is needed for immediate stop of the genocide
and for envisioning a step towards restoring the human rights and right to
self-determination of the Palestinian people out of the devastation of Gaza?
Historical inquiry can provide us with an important key. In this seminar, we
invite a Palestinian researcher Dr. Majid Shihadeh and he will examine the
history of settler-colonialism in Palestine.
Speaker: Dr. Magid Shihade
"Global Israel, Global Palestine: Settler Colonialism, Ruptures, and Connections"
*The seminar will be held online (Zoom) and in English.
About the Speaker:
Dr. Magid Shihad was born in Kafr Yasif near Acre in northern Palestine, the area Israel conquered in 1948. His research focuses on decolonization, settler colonial and indigenous studies, modernity, violence, identity, and the anthropology and politics of knowledge, social and cultural history of Palestine, and the work of Ibn Khaldun. His publication includes his book “Not Just a Soccer Game: Colonialism and Conflict among Palestinians in Israel”(Syracuse University Press, 2012).
For registration, please visit the link below.
https://chukyo-u-ac-jp.zoom.
Organizers:
Kansai Society for Palestine Studies
Grants-in-Aid for Scientific Research (B)“Formation of New Networks and Liberation Conceptions among Palestinians in the Post-Oslo Era”(Principal Researcher: Taizo Imano)
Contact:palestine.kansai@
ご案内:関西パレスチナ研究会 公開シンポジウム
2022年度第3回研究会報告
実施日時:2023年3月24日(金) 15:30~18:00
実施形態:オンライン
【報告①】
報告者:西道奎氏(京都大学大学院人間・環境学研究科研究生)
報告タイトル:Palestinians in Israel and the
Future Vision Documents: Searching for a way to binationalism
報告では、2006年~07年に発表された未来構想文書(Future Vision Documents)をもとに、イスラエル国内のパレスチナ人が提示する自己認識や二民族国家の構想が紹介され、文書の登場の背景についての長期的・短期的要因の考察が行われた。短期的要因として、2000年代にイスラエルのユダヤ系市民の間で、イスラエルの政治体制や「ユダヤ的かつ民主的国家」についての内実を確定させようとする議論が加速したことが指摘された。長期的要因としては、オスロ合意の結果として孤立化したイスラエル国内のパレスチナ人の地位をパレスチナ解放闘争史およびイスラエル国内政治で位置づけなおす必要性があったことが指摘され、この時期に積極的な活動を展開したアズミー・ビシャーラらイスラエル国内のパレスチナ人の主張が整理された。その後、未来構想文書の一つ「ハイファ宣言」に焦点を当て、二民族国家に向けた展望を困難にする政治・社会的文脈やパレスチナ民族運動の衰退が分析された。
【報告②】
報告者:マジード・シハーデ氏(ダール・アル=カリマ大学)
報告タイトル:Settler colonialism in Palestine in
a comparative perspective
報告では、従来の植民地主義と入植者植民地主義の違いとして、前者が先住者の労働力の搾取を目的とした一時的な現象だった一方、後者は先住者の排除を目的として恒久的な構造として植民地に留まり続ける点が指摘された。アメリカ、オーストラリア、南アフリカ等の入植者植民地の事例と比較した際のイスラエルの特殊性として、入植事業をユダヤ教と結びつけた点や、常に支配地を拡大させてきたために国境が画定せず、憲法など政治体制の基礎を未確定のままにしている点が示された。入植者植民地主義の終結のための先行事例では、一般には南アフリカのアパルトヘイト体制の終結に言及されることが多いが、報告者は南アフリカでは白人による大部分の土地の支配が続いていることから、先住者自身による統治の確立を提起してアルジェリアの事例も参照項とする必要性も提起した。
議論では、戦前の日本のキリスト教シオニズムと植民政策の関係史を専門とする役重善洋氏がコメンテーターとして、日本の満州侵略の口実の一つとなった万宝山事件(1931年、中国北部の長春で朝鮮人入植活動を進め、現地の中国人農民との対立を起こし、日本警察の介入を招いた事件)をもとに、日本の入植者植民地主義の事例が紹介された。また、2000年代の未来構想文書と2021年に起きた「統一インティファーダ」との関係や、パレスチナとの他地域の被抑圧集団との交差的連帯の可能性、民主的一国家構想の内実、パレスチナ問題を語る際に用いるアパルトヘイト、民族浄化、ジェノサイドといった枠組みそれぞれが持つ政治的含意などが話題にのぼり、パレスチナの現実の理解につながる論点が幅広く示された。
(文責・金城美幸)
【ご案内】関西パレスチナ研究会2022年度第3回研究会
今回の研究会はベツレヘムにあるDar al-Kalima大学のマジード・
*研究会はオンライン(Zoom)・英語で開催いたします(
参加は下記のリンクよりご登録をお願いいたします。
https://chukyo-u-ac-jp.zoom.
【Research Seminar by Kansai Society for Palestine Studies】
■Date & Time Fri. March 24, 3:30pm-7pm (Japan)/8:30am-12pm (Palestine)
■Program
Presentation:
(1) Magid Shihade (Vice President for Academic Affairs at Dar Al Kalima University, Bethlehem)
Settler colonialism in Palestine in a comparative perspective
(2) Kei Saido (Research Student at Graduate School of Human and Environmental Studies, Kyoto University)
Palestinians in Israel and the Future Vision Documents: Searching for a way to binationalism
Commentator: Yoshihiro Yakushige (Adjunct Researcher at the Institute for Study of Humanities and Social Sciences, Doshisha University)
■Registration: https://chukyo-u-ac-jp.zoom.
■Organized by
Kansai Society for Palestine Studies (http://kansai-
Grants-in-Aid for Scientific Research (B) “Formation of New Networks and Liberation Conceptions among Palestinians in the Post-Oslo Era” (Principal Researcher: Taizo Imano)
主催:
関西パレスチナ研究会 (http://kansai-
科研費基盤研究(B)「ポスト・
■Co-organized by Research Group on Palestine/Israel (https://plekn.aa-ken.jp/)
共催:パレスチナ/イスラエル研究会 (https://plekn.aa-ken.jp/)
■Contact:palestine.kansai@
2022年度第2回研究会の報告
関西パレスチナ研究会の第2回研究会の様子を以下の通りご紹介します。
実施日時:2023年1月14日(土) 13:00~17:15
実施場所:大阪女学院大学/オンライン
【報告①】
報告者:役重善洋(同志社大学人文科学研究所嘱託研究員)
報告タイトル:シオニズムと聖書考古学-エルサレムおよびマサーフェルヤッタを訪ねて
報告者は、2022年11月のパレスチナ現地調査の成果に基づき、①Wahat al-Salam/Neve Shalom村の概要、②エルサレム旧市街における欧米・イスラエルの聖書考古学の歴史的変遷、③シルワーン地区でのIr David Foundationとイスラエル考古学局による発掘活動とAteret Cohanimによる入植活動の概要、及び、それらによるパレスチナ人住民の被害の状況、④クリスチャン・シオニストが創設したFriends of Zion Museum訪問の所感、⑤マサーフェルヤッタにおける強制移住問題の現状と訪問時の所感について報告と考察を行った。コメンテーターの今野からは、調査がイスラエルの植民地主義の諸相を包括的に捉えていることを評価するコメントと、パレスチナ人の抵抗の在り方に関する報告者の評価、及び、研究の今後の展望についての質問があった。出席者との質疑応答では、強制移住と家屋破壊の関係性についての質問や、日本聖公会のパレスチナ支援活動に関するコメント等があり、活発な議論がなされた。
【報告②】
報告者:金城美幸(立命館大学生存学研究所プロジェクト研究員)
報告タイトル:Kairos PalestineおよびGlobal Kairos for Justice国際会議に参加して
報告者は、2022年11月にパレスチナで開催された第13回カイロス会議(2022年11月18日~19日)に関する報告を行った。報告者が会議に参加した経緯や報告者自身の関心と会議の関係についての説明の後、カイロス会議開催の契機となった2009年カイロス・パレスチナ文書の特徴を考察した。カイロス会議は、カイロス・パレスチナ会議と正義のためのグローバル・カイロス会議の二部構成で、カイロス・パレスチナ文書の目的を実現していく活動の成果と課題を共有し、議論する場として位置づけられているとの説明があった。カイロス会議の課題として、グローバル・サウスからの参加者を増やすこと、若者や女性の参加や関与を増やすこと等があるとした。コメンテーターの今野からは、日本のキリスト教諸教会へのアプローチの展望について質問があった。出席者との質疑応答では、1948年パレスチナ人の類似した運動との関連性や、連帯の可能性と限界に関する質問などがあり、活発な議論がなされた。
(文責・今野泰三)
2022年度第2回研究会のご案内
関西パレスチナ研究会の2022年度第2回研究会を、
多くの皆様の参加をお待ちしております。
参加にあたっては、オンライン・対面いずれの場合も、
申し込みフォーム:https://forms.gle/
【関西パレスチナ研究会 2022年度第2回研究会】
■日時 2022年1月14日(土) 13:00~17:40
■場所 大阪女学院大学2階演習室
■プログラム(予定)
13:00~13:20 挨拶・自己紹介
13:20~14:20
研究報告 役重善洋氏(同志社大学人文科学研究所嘱託研究員)
「シオニズムと聖書考古学~
(休憩10分)
14:30~15:30
会議参加報告 金城美幸氏(立命館大学生存学研究センタープロジェクト研究員)
「Kairos PalestineおよびGlobal Kairos for Justice国際会議に参加して」
15:30~15:45 コメント 今野泰三氏(中京大学准教授)
15:45~16:45 質疑応答
16:45~17:15 関西パレスチナ研究会運営会議
■主催:関西パレスチナ研究会 palestine.kansai[at]gmail.com ([at]は@に変えてください)
(研究会ブログ:http://kansai-
■共催:
・科研費基盤研究(B)「ポスト・
・パレスチナ/イスラエル研究会 https://plekn.aa-ken.jp/